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セミリタイア(サイドFIRE)にはいくら必要?必要資金を計算

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早期リタイアやFIREに興味があるけど、いったいいくらくらいあればリタイアできると思いますか?

早期リタイアを目指すには、何歳までにいくら必要か計算する必要があります。 具体的な金額がわかれば、それに向かって資産形成をすれば良いので、リタイアが一気に実現に近づきます。

いくら必要かは、リタイア後の生活費と収入によって決まります。

私は5000万円を目標に資産運用を始め、サイドFIREを達成しました。

そこで今回は、セミリタイアやサイドFIREにはいくら必要かについて紹介していきます。 いくら必要かを知ることで、セミリタイアやサイドFIREがぐっと近づきますよ。

この記事はこんな人におすすめ!
  • 今すぐリタイアしたいけど、いくら必要か知りたい
  • リタイアが何歳でできるか知りたい
  • リタイアの種類でどのくらい必要な資産が変わるか知りたい

なお、セミリタイアやサイドFIREについての基本を知りたい人は、 「セミリタイアとは?サイドFIREの方がおすすめな理由を解説!」  を先に読んでみてください。

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前提条件1:生活費を知る

セミリタイアやサイドFIREにいくら必要かを計算するために一番重要なのが、 生活費がいくら必要かです。

年間200万円で生活できる人と、年間1000万円必要な人では、単純に資産が5倍必要です。

そのため、早くセミリタイアやサイドFIREをしたい人は、生活費をなるべく抑える必要があります。

とはいえ、漠然と生活費を抑えろと言われても難しいと思います。 そこで、とりあえず全国平均を目指してみましょう。

地域別の支出

まずはじめに、地域別の消費支出を見てみましょう。

 全国関東沖縄
食費79.585.067.2
住居18.820.122.5
水道光熱21.721.419.3
家具・家事用品13.414.211.0
被服・履物10.711.47.0
保険医療13.113.98.8
交通・通信49.548.232.4
教育16.521.76.5
教養娯楽26.829.614.3
その他56.355.937.0
合計305.8321.8226.1
2人以上の勤労者世帯の月消費支出(千円)

このデータは、総務省の家計調査年報(2020年)を参考にしました。

このデータからわかる通り、月の支出は30万円が全国平均です。

ただし、住居費が安いと感じた人がいるかもしれません。 これは、持ち家の人も含めているからです。 ローンや家賃を払っている人は、これより5万円くらいは高いと思います。

また、地域によっても生活費は大きく変わります。沖縄は関東の3分の2近くの金額で生活ができます

セミリタイアやサイドFIREでは、生活する場所を自由に選べるメリットがあるので、 生活費が低い地域に引っ越すことで、セミリタイアやサイドFIREを早めることができます。

家族構成の違いによる支出

つぎに、家族構成の違いによる消費支出を見てみましょう。

 一人暮らし夫婦のみ子持ち
食費35.869.176.0
住居34.916.717.6
水道光熱7.519.921.5
家具・家事用品7.110.111.7
被服・履物6.68.511.1
保険医療4.715.114.1
交通・通信10.636.645.4
教育0012.6
教養娯楽18.627.830.7
その他20.564.660.7
合計155.6269.1302.6
家族構成の違いによる月消費支出(千円)

このデータは、総務省の家計調査年報(2021年)を参考にしました。

このデータから、年金暮らしをする頃には、子供が独立するので月3万円くらいは節約できそうです。

これまでの結果から、今回は以下のような条件でシミュレーションすることにしました。

支出合計の条件
  • 70歳までは月35万円の支出
  • 70歳以降は子供が独立し、ローンの返済も終わるため、月25万円の支出

年金や税金も考える

セミリタイアやサイドFIRE後は、年金や税金も部分で支払う必要があります。

セミリタイアやサイドFIRE後は、国民年金を自分で納めます。 年金額は、2022年4月時点で月16590円なので、夫婦で月33180円です。

住民税、所得税も自分で納めることになります。 セミリタイアやサイドFIRE後は、年収が減るので、それほど高くはありませんが、 月1~2万円は見ておきましょう。 住民税、所得税の他に、固定資産税、自動車税なども納める必要があります。

トータルで月5万円くらいは必要になります。

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前提条件2:年金受給額を知る

セミリタイアやサイドFIRE後でも、長生きすると年金がもらえます。 そのため、シミュレーションでは年金も考慮する必要があります。

会社員の場合、年金は国民年金と厚生年金の両方を納めているので、 もらうときも、両方をもらうことができます。

しかし、リタイアやFIREをすると、会社員をやめるため厚生年金を納める必要が無くなります。 厚生年金は納めている期間が長いほど、受け取れる額も増えるため、 リタイアやFIREをすると、厚生年金の受給額は減ります。

リタイアやFIREをする年齢が早いほど、受け取れる年金が少なくなることを覚えておきましょう。

年金受給額の平均

令和2年の年金受給額の平均は、以下の通りです。

年金受給額の平均
  • 国民年金=56,252円
  • 厚生年金=146,145円
  • 夫会社員、妻主婦の場合、56,252円×2 + 146,145円 = 258,649円

定年まで会社員なら毎月25万円くらいの年金がもらえるということです。

しかし、今後は受給額が減っていくことが考えられます。多少少なめに見積もっておいた方が良いでしょう。

リタイアやFIREした場合の年金受給額

それでは、リタイアやFIREした場合の年金受給額を計算してみましょう。

実際には、会社員時代の年収によって年金受給額が変わりますが、 今回は、先ほどの平均値を使います。

また、年収は生涯変わらなかったものとして、 年金受給額が、単純に勤続年数に比例するものとします。

20歳から会社員をし、65歳まで年金を払い続けたとして計算すると以下の通りです。

リタイア年齢会社員だった年数年金受給額(月額)年金受給額(年額)
65歳45年25.0万円300万円
60歳40年23.4万円281万円
55歳35年21.9万円263万円
50歳30年20.3万円244万円
45歳25年18.8万円225万円
40歳20年17.2万円206万円
35歳15年15.7万円188万円
30歳10年14.1万円169万円
25歳5年12.6万円151万円
20歳0年11.0万円132万円
リタイア年齢と年金受給額の関係
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早期リタイアするにはいくら必要か

早期リタイアするにはいくら必要なのか具体的に計算してみましょう。

早期リタイアは資産運用を考えないので、いくら必要か計算するのは簡単です。 今後の生活費を全て合計して、年金の金額を引けばOKです。

しかし、実際には何歳まで生きるかわかりません。 そこで今回はある程度の余裕を見るために100歳まで生きることにして計算します。

つまり、下記式が成り立ちます。

支出合計=年間支出額×(100歳-早期リタイアしたい年齢)
年金受取額合計=年金受取額×30年
いくら必要か=支出合計-年金受取額合計

資産運用はしないと言いましたが、ほぼリスクがゼロな米国国債は貯金と同じと考えて、 年利1%の利息は受け取ることにします。

年間支出額や年金受給額は上述した生活費と年金受給額を使用します。

支出合計の条件
  • 70歳までは月35万円の支出(年間420万円)
  • 70歳以降は子供が独立し、ローンの返済も終わるため、月25万円の支出(年間300万円)
年齢支出合計年金受給額合計国債運用
40歳でリタイア21,900万円7,400万円14,500万円12,000万円
45歳でリタイア19,800万円8,100万円11,700万円10,000万円
50歳でリタイア17,700万円8,700万円9,000万円7,800万円
55歳でリタイア15,600万円9,400万円6,200万円5,600万円
早期リタイアにはいくら必要か

セミリタイアするにはいくら必要か

セミリタイアした場合は、早期リタイアより労働による収入が増えることになります。

今回は、65歳まで生活費の約半分の月20万円を稼ぐことにします。 月20万円なら夫婦が10万円ずつ稼げばいいので、無理なく働けるのではないでしょうか?

シミュレーション結果は以下の通りです。

年齢支出合計収入総額合計国債運用
40歳でリタイア21,900万円13,400万円8,500万円6,700万円
45歳でリタイア19,800万円12,900万円6,900万円5,600万円
50歳でリタイア17,700万円12,300万円5,400万円4,500万円
55歳でリタイア15,600万円11,800万円3,800万円3,300万円
セミリタイアにはいくら必要か
セミリタイアと早期リタイアの差
  • 40歳でリタイアする場合、セミリタイアのほうが5,000万円以上資産が少なくても良い
  • リタイア時期が遅いほど、早期リタイアとの差が縮まるが、55歳でも2,000万円以上の差がある

55歳以上の早期リタイアとセミリタイアに関しては詳しく以下の記事でシミュレーションしています。

ファットFIREするにはいくら必要か

FIREはリタイアと違い積極的に資産運用を行います。 そのため、資産運用による利益が収入に上乗せされます。

また、FIREは資産が減らないように運用するのが、リタイアとは違います。

リタイアとFIREの違い
  • 資産運用する
  • 資産が減らない

利回りと資産の関係

ファットFIREは資産運用で得られた利益を、生活費に充てるので、 いくら必要かの計算に年齢は関係ありません。

  • 年間にいくら支出するのか
  • 年利何%で運用するのか

この2点でいくら必要かがわかってしまいます。

計算結果は下表の通りです。

↓年利 支出→年300万円年420万円年500万円
1%30,000万円42,000万円50,000万円
2%15,750万円21,000万円25,000万円
3%10,000万円14,000万円16,667万円
4%7,500万円10,500万円12,500万円
5%6,000万円8,400万円10,000万円
6%5,000万円7,000万円8,334万円
7%4,286万円6,000万円7,143万円
8%3,750万円5,250万円6,250万円
9%3,334万円4,667万円5,556万円
10%3,000万円4,200万円5,000万円
ファットFIREにはいくら必要か

投資の世界では、年利4%が一つの目安になっています。 年利4%で運用し、年間支出が400万円の場合、いくら必要かというと1億円ということになります。

ファットFIREするには生活費の25倍が必要

投資の世界では4%ルールというものがあります。

資産運用していれば、毎年資産の4%を切り崩しても、資産が減らないという理論です。

つまり、資産の4%で生活できれば、資産を減らさないまま生活ができるということです。 逆に生活費の25倍の資産を運用すれば、資産が減らずに生活できるということでもあります。

先ほど、生活費が400万円の場合、1億円の資産運用が必要だったのはこのためです。

実は4%ルールは米国株式のS&P500社指数をもとに計算されています。 S&P500の年平均利回りが7%以上あるため、米国のインフレ率3%を引いても、 4%は生活費に回して大丈夫だよねという数字です。

日本の場合、インフレ率がそれほど高くなく、日銀が目標としている2%で計算しても、 5%は生活費に回せることになります。 よって、生活費の20倍の資産運用でもFIRE可能と言えるかもしれません。

生活費の25倍の根拠
  • 米国株式のS&P500社指数の年平均利回りを根拠にしている
  • インフレ率3%を差し引いても年利4%は実現可能

サイドFIREするにはいくら必要か

生活費の25倍の資産を作れそうですか?

多くの人が難しいと感じるのではないでしょうか。そこでサイドFIREの出番です。

仕事を辞めて、アルバイトや副業で月20万円稼げれば、年間で240万円。 生活費が月35万円であれば、資産運用で必要な収入は、年間180万円になります。

これであれば、4500万円の資産でサイドFIREできます。 この金額であれば、一気に現実味をおびてきませんか。

なお以下の記事では3000万円以下でもサイドFIREできるのか、子持ち夫婦はいくらでサイドFIREできるのかを検証しています。

結論:リタイアとFIREでいくら必要かは変わる

今までの結果をまとめてみましょう。

年齢早期リタイアセミリタイアファットFIREサイドFIRE
40歳でリタイア12,000万円6,700万円10,500万円4,500万円
45歳でリタイア10,000万円5,600万円10,500万円4,500万円
50歳でリタイア7,800万円4,500万円10,500万円4,500万円
55歳でリタイア5,600万円3,300万円10,500万円4,500万円
リタイア・FIREにはいくら必要か
条件
  • 70歳までは月35万円の支出(年間420万円)
  • 70歳以降は子供が独立し、ローンの返済も終わるため、月25万円の支出(年間300万円)
  • リタイアは年利1%、FIREは年利4%で計算

まとめ:サイドFIREが一番現実的

今回は、早期リタイア・セミリタイア・ファットFIRE・サイドFIREにはいくら必要かを紹介してきました。

億単位の資産がない人が早くからリタイアするには、セミリタイアかサイドFIREが現実的です。

セミリタイアにするか、サイドFIREにするかは、リタイアしたい年齢が重要になります。 50歳以降でも良いなら、資産運用せずにセミリタイアでも良いでしょう。

しかし、50歳より前にリタイアするなら、サイドFIREの方が少ない資産でリタイアできます。 しかも、老後資金が減らないため、贅沢して暮らすことができます。

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