セミリタイアやサイドFIREに興味があるけど、失敗が怖くて踏み出せないと思っていませんか?
セミリタイアやサイドFIREにはメリットがある一方で、デメリットも存在します。デメリットを理解せずにセミリタイアやサイドFIREをすると絶対に失敗するので、必ず確認しておきましょう。
そこで今回は、セミリタイアやサイドFIREのメリット・デメリットとその対処法を紹介していきます。デメリットを知ることで、リタイアがぐっと近づくので是非参考にしてみてください。
なお、この記事はセミリタイアとサイドFIREの違いがわかる人に向けて書かれています。 もし、違いがあいまいな方は 「セミリタイアとは?サイドFIREの方がおすすめな理由を解説!」をご覧ください。
早期リタイア(FIRE)のメリット
まずセミリタイアやサイドFIREのメリットの前に、会社を早期退職することのメリットを紹介します。主なメリットは以下の通りです
メリット
- 職場の人間関係から解放される
- 自由に使える時間が増える
- 好きな場所に住める
- 新しいことにチャレンジできる
- 節約思考が身につく
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
職場の人間関係から解放される
いくらやりがいのある仕事をしていても、職場の人間関係がストレスになることがあります。
会社員の場合、1日8時間以上を週5日以上、職場で過ごさなければいけません。そのなかで社内や取引先の対応などの人間関係で疲れてしまいます。
リタイア後は職場の人間関係から解放されるため、人間関係のストレスが大幅に減少するでしょう。
自由に使える時間が増える
これが目的でリタイアする人が多いと思いますが、正社員の時と比べて仕事をしている時間が少なくなります。よって、自由に使える時間が増えるわけです。
家族のため、趣味のためなど、好きなように時間を使うことができます。
好きな場所に住める
リモートワークが普及してきましたが、 それでも仕事により住む場所が限られている人が多いのが現状です。 しかし、リタイア後は仕事場を優先しなくて良いので、 好きな場所に住むことができます。好きな場所で、好きな仕事をしてもいいわけです。
田舎でのんびり暮らすことも、海外に住むこともできますし、旅をしながら暮らすこともできます。 住居費は生活費の中でも大きなウェイトを占めるので、生活費の見直しにも役立ちます。
新しいことにチャレンジできる
リタイアすれば、いままで時間が無くてなかなか始められなかった新しいことにチャレンジできます。 そのチャレンジが、新しい収入源になるかもしれません。
節約思考が身につく
リタイアを早期に達成するためには、無理をしない程度の節約が必要です。 固定費、食費、無駄遣いなどを精査して、無理のない節約を心がけます。 節約思考は生きていく上で重要な財産になります。
早期リタイア(FIRE)のデメリットと対処法
それでは次に、早期リタイアやFIREのデメリットと対処法を見ていきましょう。主なデメリットは以下の6つです。
デメリット
- 仕事のキャリアが止まってしまう
- 保険や福利厚生がなくなる
- 社会的信用に影響する
- 時間をもてあます
- 生活が変わると計算が狂う
- 受け取れる年金が減る
仕事のキャリアが止まってしまう(再就職が難しい)
リタイア直後は仕事はもうしないと決めているかもしれません。しかし数年が経った後、気が変わり元の生活に戻りたくなることがあるかも知れません。
リタイア生活から元の生活に戻ろうと思っても、リタイア中にキャリアを積み重ねられなかったことが大きく影響するかもしれません。 もし元の職場に戻れたとしても、同年代より待遇は悪くなってしまいますし、 新しい職場を探そうとしても、できることが限られてきます。
違う業種に再就職するにしても、40代以上の再就職は難しいものです。また、履歴書に空白期間があるとさらに再就職が難しくなります。
もし、仕事に復帰する可能性があるのであれば、 仕事を離れてもスキルが維持できるように同業種の仕事を行うことや、必要な自己投資を行うことも考えましょう。
保険や福利厚生がなくなる
会社員の時はさまざまな保険や福利厚生を受けていたはずです。例えば病気やけがで出勤できなくても給料はもらえましたし、見舞金が出る企業も多いです。
しかし、リタイア後はそのような保険や福利厚生は一切なくなります。いざというときのために、資金を用意しておきましょう。
社会的信用に影響する
リタイアすると、どれだけ資産があっても社会的にはフリーターと同じです。仕事をしていてもせいぜい自営業扱いになります。
そのため、会社員のような社会的な信用は得づらくなります。社会的信用がないと、住宅ローンやクレジットカードの審査が通らなくなってしまうかもしれません。賃貸物件の入居審査にも影響が出る場合があります。
もし、ローンを組むような大きな買い物をする予定があるなら、会社員のうちに済ませておきましょう。
時間をもてあます
一見、自由な時間が増えるのは良いことのように思えるのですが、目的がないと時間をもてあましてしまいます。何事にもやりがいを感じられなくなり、時間がすぎるのをただ待つだけの人生では、孤独を感じやすくなってしまいます。
孤独を感じないために、やりがいが感じられることを見つけてからリタイアしましょう。
生活が変わると計算が狂う
リタイア当時の生活費を一生続けていける人はなかなかいないでしょう。 結婚、出産、家賃、教育費、医療費に介護費など、年齢を重ねるごとに変化があるものもありますし、 インフレが起きて物価が上昇することもあるでしょう。
節約が上手になり生活費が減れば生活は楽になりますが、生活費が増えてしまっては資産がどんどん減っていきます。資産を減らさないためには仕事を増やして日銭を稼がなくてはいけません。
リタイアしていると、正社員の時より時給は下がっているでしょうから、 収入を増やすためには仕事をする時間をより増やさなければいけなくなります。時給が減って、正社員の時より働かないといけなくなってしまっては本末転倒です。
受け取れる年金が減る
会社員の時には、厚生年金に加入しており、会社が半額負担しています。しかし、リタイア後は、基本的に国民年金のみに加入し、保険料は減少しますが全額自己負担です。
厚生年金で定年まで迎える人と比べて、受給額は減ってしまいます。リタイアした年齢が若いほど、厚生年金に加入している期間が短いので受給額は減ってしまいます。
年金の負担が少ない分、手元に残る資金は増えるので、資産運用で増やすことができれば、年金以上の資産にすることも可能です。しかし、老後も資産運用をする体力があるか心配な方は、国民年金基金に加入することも検討しましょう。
セミリタイア(サイドFIRE)のメリット
早期退職をした時のメリットとデメリットは理解できたと思います。しかし、セミリタイアやサイドFIREでは、退職後も仕事をするため、違ったメリット・デメリットが存在します。そこで、ここでは退職後も仕事をするメリットを紹介します。
メリット
- 自分のペースで仕事ができる
- 社会との接点が保てる
自分のペースで仕事ができる
セミリタイアやサイドFIREでは、正社員の時と比べて、自分のペースで仕事ができるのが大きなメリットです。フルタイムで仕事をしなくても生活できるため、仕事量を自分で調整しながら取り組めます。
人間関係がうまくいかなくなったり、やりたい仕事で無ければ、やめることもできます。時間に追われなくても良くなるので、ストレスが軽減される人も多いでしょう。また、責任も大きく減少するため、ストレスが大幅に軽減されます。
社会との接点が保てる
セミリタイアやサイドFIREでは、多少の仕事をするため、社会との接点を保つことが可能です。リタイア後に新しい仕事をすることで、新しいネットワークもできてくるでしょう。
もちろん仕事以外でも社会と接点を持つことは可能ですが、仕事に没頭してきた人の多くは仕事以外でのコミュニティーがない人も多いのではないでしょうか。
社会との接点がないと、刺激が少なくなり認知機能が低下する可能性があります。適度に仕事をすることは、健康面から見てもメリットがあるといえます。
セミリタイア(サイドFIRE)のデメリット
早期リタイアやFIREではなく、セミリタイアやサイドFIREをすることで起こるデメリットもあります。
デメリット
- 仕事による収入が減る
- 完全なリタイアやファットFIREからは遠ざかる
仕事による収入が減る
リタイア後はフルタイムで働くわけではないため、正社員と時給が同じだったとしても収入は減ります。また、正社員ではなくなるため、基本的には時給や成果報酬での仕事をすることになります。そのため、仕事の収入は減るでしょう。
しかし、やり方によっては収入が減らない、もしくは増える場合もあるので、リタイア前からどのような仕事をするか検討することが重要です。可能であれば、正社員のうちにリタイア後の仕事を、副業としてはじめておきましょう。
完全なリタイアやファットFIREからは遠ざかる
セミリタイアやサイドFIREをした場合、収入が減ることになりますので、フルタイムで仕事をしている時より資産が増えなくなります。よって、全く働く必要がなくなる早期リタイアやFIREの状態になることは、よっぽど資産運用がうまくいかない限り不可能です。
仕事を続けて定年まで働けばある程度の資金が貯まって老後資金になったとしても、セミリタイアや サイドFIREした場合、資産運用の結果次第では、一生働かないと暮らしていけない可能性があります。
老後が心配なら国民年金基金なども検討しましょう。
サイドFIREのメリット
セミリタイアをサイドFIREを比較すると、サイドFIREの方が優れている点があります。ここでは、サイドFIREのメリットを紹介していきます。
メリット
- 資産運用によって、少ない資金でリタイアできる
- 資産運用によって、資金が減らない
資産運用によって、少ない資金でリタイアできる
「セミリタイアとは?サイドFIREの方がおすすめな理由を解説!」 でも紹介したように、同じ生活をするならサイドFIREの方が少ない資金でリタイアできます。
例えば、40歳でセミリタイアする場合、7800万円必要だとすると、サイドFIREでは、4000万円の資金で可能です。
資産運用によって、資金が減らない
セミリタイアは足りない生活費を資産を切り崩して生活します。しかし、サイドFIREは資産運用で得られた利益を使うので、資産を減らさずに生活できます。
セミリタイアでは、計算通りに資産が減っていたとしても、資産が減るのがストレスになり、長く続かない人もいます。サイドFIREでは、資産運用によって一時的に資産が上下しますが、長期的に資産が減らなければ、心に余裕が生まれるでしょう。
サイドFIREのデメリット
最後に、セミリタイアにはないサイドFIRE特有のデメリットについて紹介します。
デメリット
- 資産運用が必ず成功するわけではない
- 急な出費に対応できない
資産運用が必ず成功するわけではない
サイドFIREでは、資産運用から一定の金額がコンスタントに得られることを前提にしています。しかし、投資の世界に絶対はありません。過去何十年と成功してきた投資でも、未来に必ず成功するとは限りません。
そのため、資産運用に失敗しても収入が得られるようにしておいたほうが無難です。サイドFIREはFIREと比べ、仕事をしている分潰しがききますが、FIREが続けられなくなることも考えておきましょう。
急な出費に対応できない
投資をしていると、当然一時的に資産が減ってしまうことがあります。例えば株に投資をしていて〇〇ショックなどが来た時です。そのまま時間が経てば、資産がもとに戻りますが、〇〇ショックの時に丁度、大きな出費が重なると、減った資産を切り崩さなければいけなくなります。
そうならないためにも、生活費の1年分くらいは現金で確保しておくことをおすすめします。
例1:株式投資をしている場合
例えば年始に2000万円の資産があって、全額投資に回していた場合、年末には2200万円になったとします。
同じく年始に2000万円あって、全額投資に回していたのですが、ある時200万円の出費が必要になったとします。 しかしその時にちょうど株価の大暴落が起きていて資産が1000万円になっていたとします。 しかし200万円の出費が必要なので、200万円を切り崩します。資産は800万円になってしまいますが、 年末までに株価は戻り年始の1.1倍になりました。この時の資産はというと、1760万円です。
このように途中で200万円しか切り崩していないのに、年末の結果は440万円も違ってくる場合があります。
投資しているお金を予定外に切り崩す時に暴落のタイミングが重なると、大きな損を出してしまう可能性があるので、現金も保有していたほうが安心です。
例2:不動産投資をしている場合
資産の全てを不動産投資に回している場合、急な出費で手元に資金がなくなると、 不動産を売却するか、借金をするしかなくなります。借金をするとなると、消費者金融から不動産の利回りより高い金利を取られます。不動産を売却するにも時間がかかるためすぐには現金が調達できません。
このように不動産の流通性の低さが裏目に出てしまう場合があります。
まとめ
今回は、セミリタイアとサイドFIREのメリット・デメリットについて紹介してきました。
デメリットもありますが、メリットのほうが大きいと感じることができれば、セミリタイアやサイドFIREを目指す価値があります。そして、セミリタイアよりサイドFIREの方がメリットがあると感じた人が多いのではないでしょうか?